ハイ・タッチウォール国土交通大臣認定 宅造用L型擁壁
大規模地震動にも対応する5.0mのまでの宅造用プレキャストL型擁壁。宅地造成等規制法に基づき国土交通大臣から認定を取得した製品です。
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ハイ・タッチウォールとは
ハイ・タッチウォールは、コンクリート二次製品であることによる「品質と信頼」、迅速な工事が行える「施工性」、これらによる宅地供給への「スピード」、そして宅地所有者に「安心」を提供できるものです。
高さ3m以下の宅地擁壁は、日本各地のプレキャスト製品メーカーが個別に国土交通大臣認定擁壁を製造販売しています。高さ3mを超える宅地擁壁は、全国統一規格とし、利用者の使いやすさ、統一された安定した品質、どこの工場からも同一製品を供給できるという優位性を持った「ハイ・タッチウォール」として、一般社団法人ハイタッチセンターが規格化しました。
ハイ・タッチウォールは、宅地造成等規制法施行令第14条による国土交通大臣認定を取得した、宅地造成用のプレキャストL型擁壁です。
大規模地震動とは
大地震(大規模地震動)
発生確率は低いが直下またはプレート境界で発生する地震を想定した高いレベルの地震動で、一般に震度6~7程度を想定しています。標準設計水平震度k0=0.25に地域係数Zを乗じて求めます。
「宅地防災マニュアルの解説」より引用
特長
- 宅地擁壁で高さ5mまでの一体構造で大臣認定を受けたプレキャストL型擁壁です。
- 設計水平震度は、大地震Kh=0.25まで対応しています。中地震Kh=0.20地区でも使用できます。
- 現・国立研究開発法人建築研究所で耐震実験等を行い、地震時の挙動や耐力を解析し、その結果を反映した高品質・高性能の製品です。
- 大臣認定擁壁製造工場認証を受け、品質管理の徹底された工場で製造されます。
- 前壁に化粧(デザイン)を施すことも可能なため、「個性」と「調和」を選ぶことができます。
- 機械施工により省力化と工期の短縮が図れます。
- フェンスを擁壁天端に一体化して設置できます。
- 前壁がほぼ垂直であるので宅地の有効利用ができます。
- 擁壁背面の土質は、内部摩擦角がφ≧25°以上とφ≧30°以上の2種類から選定できます。
- 擁壁背面の土の単位体積重量はγs=16~19kN/m³の範囲に対応できます。
ハイ・タッチウォールの種類
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HTWタイプ(High-Touchi Wall) <建設省東経民発第94号 ハイ・タッチウォール>
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- 裏込め土は、内部摩擦角がφ≧25°の土が条件です。
- 中地震に対応可能です。
- 基礎地盤は、内部摩擦角がφ≧25°の土が条件です。
- 積載荷重は、10kN/m²に対応しています。
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HTタイプ(High-Touchi Wall の HT) <国都防第17号 ハイ・タッチウォール(耐震型)>
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- 裏込め土は、内部摩擦角がφ≧30°の良質土が条件です。
- 中地震及び大地震に同一の形状で対応可能です。
- 基礎地盤は、内部摩擦角がφ≧30°の良質地盤が条件です。
- 積載荷重は、10kN/m²又は15kN/m²に対応しています。
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HWタイプ(High-Touchi Wall の HW)<国都防第17号 ハイ・タッチウォール(耐震型)>
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- 裏込め土は、内部摩擦角がφ≧25°の土が条件です。
- 製品高さHが3mを超え4m以下は、内部摩擦角がφB≧25°の基礎地盤が条件です。
- 製品高さHが4mを超えるものは、内部摩擦角がφB≧30°の基礎地盤が条件です。
- 積載荷重は、10kN/m²に対応しています。
<ご注意>
一般的な地盤用のHWタイプのφ≧25°は、擁壁背面の「裏込め土」の内部摩擦角φと、擁壁底面下にある「基礎地盤」の内部摩擦角φBをφB≧25°とφB≧30°に分けていますのでご注意願います。
HTWタイプ
HTタイプ
HWタイプ
HTⅢタイプ
築造仕様
ハイ・タッチウォールの施工については、築造に関する基準が築造仕様書に定められています。一般的注意事項として次の項目が記載されています。
一般的注意事項
ハイ・タッチウォールは、重量構造物です。したがって、擁壁背面及び基礎地盤の土質条件により、施工方法が異なりますので、以下の事項に注意し確認して下さい。
- 本擁壁は、設計載荷重の大きさ、地震時の水平震度、土質条件により、タイプが異なります。施工箇所の条件を十分把握 し、適合するものを選定して下さい。
- 基礎地盤の許容応力度は、規定されている値以上の支持力を確保して下さい。
- HWタイプは、擁壁背面の「裏込め土」の内部摩擦角φと、擁壁底面下にある「基礎地盤」の内部摩擦角φBを分けてい ますのでこ確認下さい。
- HWタイプにおいて「裏込め土」がφ≧30°の場合又は岩盤の場合は、根入れ深さを浅くすることができます。
- 排水側溝工事、のり面保護工事、山止め工事、杭地業工事、支持力増強のための地盤改良工事等については、宅地造成工事の設計者及び施工者の責任のもと実施されるものとしています。
- 隅角部は、現場打ちコンクリートで施工して下さい。
- 擁壁前面はH/500の勾配を有していますので、 施工時に考慮して下さい。
根入れ深さ
根入れの深さは、宅地造成等規制法施行令第8条4項に則り、擁壁を岩盤に接着して設置する場合を除き次の通りとして下さい。
フェンスの取り扱い
- ハイ・タッチウォールにフェンスを取り付ける場合は、 予め工場で天端に フェンス支柱を埋込む穴を配置します。
- フェンス支柱埋込み穴の深さはb=25cm、 断面の投影幅はa=8cm以下、支柱の設置位置は、 擁壁の天端厚さの中心線 上で±5cm以内の位置、かつ、擁壁両端から16.5cm以内の部分を除く範囲が可能です。
- フェンスの種類は、 自重の小さいネットフェンス、 歩道用の防護柵として下さい。
基礎及び敷モルタルについて
- 基礎材の厚さは、基礎コンクリート10cm以上、 基礎砕石20cm以上として下さい。
- 据付に際し、 基礎コンクリート面と擁壁底版との間に隙間が生じないように、厚さ2cm程度の良く締固められた敷モルタルで不陸を処理して下さい。
透水層について
- たて壁の背面には、 砂利又は宅地擁壁用透水マットによる透水層を設けて下さい。
- 擁壁背面の土砂が目地及び水抜穴から流出することを防止するために耐食性の吸出し防止フィルターを設置して下さい。
- 透水層の下部には止水コンクリートを設置して下さい。